コラム連載 第8回(後編)「過去ー誰の目に、どんな価値として映っていたのか」

山本さんの会社は、長く続いていたことで、一定の信頼を得ていました。
ただし、その信頼は一つの言葉で言い切れるものではありませんでした。
立場が変われば、見えている姿も、感じている価値も違っていたのです。

お客様から、どう見られていたか
お客様は、こう言っていました。
「安心はできる」
「最後までやってくれる」

一方で、こんな声もありました。
「融通はきかない」
「新しい提案はあまり期待していない」
「確実だけど、少し無難」

信頼はある。でも、期待の幅は広くなかった。

ここで、自分に問いを返してみてください。

  • お客様は、あなたに何を期待しているでしょうか
  • その期待は、あなたが本当に届けたい価値でしょうか

社員から、どう見られていたか
社員たちは、会社をこう感じていました。

「逃げない会社だ」
「ごまかさない」

でもその裏で、こんな戸惑いもありました。

「判断基準が見えにくい」
「なぜ断るのか、なぜ引き受けるのか分からない」
「社長の考えを察しないといけない」

誠実さは、言葉にされなければ、不安にも変わります。

  • 社員は、あなたの判断を言葉にできるでしょうか
  • それとも、空気を読んで動いているでしょうか

取引先から、どう見られていたか
取引先からは、「信頼できる相手」と評価されていました。

一方で、
「決断が遅い」
「条件交渉はしづらい」
「柔軟性は期待しにくい」

という距離感もありました。
信頼はある。でも、軽さやスピードとは引き換えになっていたのです。

地域・周囲から、どう見られていたか
地域では、こう語られていました。
「長く続いている会社」
「堅実で派手さはない」

それは裏を返せば、
「何をしている会社か分かりにくい」
「今どこに向かっているのか見えない」

という距離感でもありました。

価値は、光と影を同時に持っている

これらは失敗の話ではありません。
価値は常に、誰かにとっての強みであり、別の誰かにとっての違和感でもあります。

光と影を含めて、ブランドは理解されてきました。

過去を引き受けるとは、良い評価だけを見ることではありません。

  • どんな強みとして覚えられてきたのか
  • どんな弱みとしても見られてきたのか

その両方を、自分たちの歴史として受け止めることです。

👉次は、「いま、その評価はどうなっているのか」を見ていきます。

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